歯性上顎洞炎
副鼻腔(ふくびくう)の1つである上顎洞にいわゆる蓄膿症(ちくのうしょう)で膿(うみ)がたまる場所に感染をおこした状態を上顎洞炎といい、その原因が歯と関係したものが歯性上顎洞炎という。
上顎洞という場所は個人差はあるが、上あごの第2小臼歯以後、3本の臼歯(奥歯)の歯根(ねっこ)ときわめて接近し、ときには上顎洞内に向かって歯の根の先が接触していることもある。
したがって、歯が原因で容易に急性および慢性の上顎洞炎を誘発しやすい。
原因は虫歯による歯の根尖部歯周炎や、抜歯時洞底穿孔(歯を抜くことによって口と上顎洞が交通してしまうこと)歯根片の迷入、歯牙打撲による洞底損傷などで起こる。
原因菌はブドウ球菌、レンサ球菌などで口の中に常時存在する菌が感染原因となる事が多い。
治療としては、まずは投薬を行い原因となっている歯の治療、治療不可能な歯は抜歯、上顎洞に膿がたまっている場合は膿の排出、急性期炎症がすぎれば根治手術(蓄膿の手術)が必要になることもある。
いずれにせよ、治療は上顎洞炎の原因によって様々異なる。